天声人语2009年3月25日

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冷戦期、アメリカとソ連はあらゆる分野で張り合った。宇宙開発もスポーツも。東西対立の落とし子、西独で開かれた72年のミュンヘン五輪、無敗同士で迎えた男子バスケットボールの決勝は語り草だ▼試合は終了直前、逆転のフリースローが決まって50対49で米国が「勝利」した。ところがソ連の抗議で時計が戻され、残り3秒からの再開となる。ここでゴール下へのロングパスが通り再逆転。五輪で62連勝中だったバスケ発祥国は表彰式に出ず、銀メダルを拒んだ。冷たくて熱い、今は昔の物語だ▼平時の疑似戦争とでもいおうか、国と国との試合は熱しやすい。因縁があればなおさらだ。拮抗(きっこう)する力、国際情勢、過去のしがらみ。一切を薪(まき)にして、負けじの炎が激しく揺れる▼野球の世界一をかけた第2回WBCで、侍たちが2連覇を飾った。実のところ、世界に名を借りた「日韓五番勝負」だった。納めの一戦は、両国民の万感を溶かし込んで燃えた。攻守とも緩みのない延長戦に、仕事が手につかぬ人も多かったろう▼決勝打を放ち、イチローはにこりともしなかった。こちらは仕事師の顔である。敬遠もありえた場面で投手が勝負したのは、打者が「日本代表の代表」だからだろう。シンボルをねじ伏せたいという思いは、センター前にはじき返された▼隣国と好敵手になるのは悪くない。サッカーのブラジルとアルゼンチン、ラグビーの豪州とニュージーランド。意識し合い、互いに強くなった。日韓が戦うたび、伝説と因縁が積み上がる。すべて、共有の財産である。