最近の洪水事例と対策等について

来源:百度文库 编辑:神马文学网 时间:2024/04/30 02:26:01
最近の洪水事例と対策等について 
-ヨーロッパの洪水灾害情报を含めて- 
河川研究部 近藤 悟 
1.はじめに 
明治以来の河川改修への努力により例えば国管理の河川の堤防についてみると堤防延长
の约半分强が完成堤防で,计画高水位の高さまで筑堤されている暂定堤防を含めると约8
割を超えるなど河川改修は进み,近年は洪水氾滥の発生频度や面积は减少してきている.
しかし,高度経済成长期以降の都市化の急激な进展に伴い氾滥原の宅地化等が进み,大都
市に限らず地方中核都市等においても予想を上回る洪水などによる氾滥时の想定被害额は
逆に増大してきている. 
一方,洪水をもたらす雨については过去の降雨记录から,いつでもどこでも豪雨は起こ
りうる状况であり(S32谏早水害,S57长崎水害,H6宫城県水害,H10余笹川水害,H12
东海豪雨),特に近年,地球温暖化等によりその频度が増大する可能性が危惧されている. 
このような洪水に対しては河川改修などの构造物による対応に加え,予警报や土地利用等
の非构造物による対応が必要となっている.堤防等の构造物については,工学的体系化を
図るとともに,未解明点が多い洪水の挙动を水害の事例から逐次明らかにし,得られる教
训を计画や设计に活かしていくことが必要である.また,予警报等についても人工卫星に
よる観测,高精度センサーの开発,数値シミュレーション技术やコンピューター等のIT
技术等の発达を取り入れ,より効率で効果的なものとしていく必要がある. 
本报告は,このような観点から,水害事例の分析及び対策,最近の予警报の研究课题,
最后にこの夏のヨーロッパ洪水灾害に関する最新情报について河川研究部河川研究室や危
机管理技术研究センター水害研究室等におけるこれまでの研究成果等について既に発表さ
れてきた论文等を用い绍介するものである. 
2.水害事例から学ぶもの 
20世纪に入って死者 行方不明者数が千名以上の水害は9回発生したが,1959年(伊势
湾台风)以降は発生していない.水害の発生形态の変化を见ると,戦后~1950年代は大河
川において,破堤 高潮灾害が発生して甚大な被害となった.特に1953年には梅雨前线豪
雨等により3兆円以上(価格换算)という史上最高の水害被害额となったし,伊势湾台风で
は贮木场の流木が高潮により运ばれ,5千名以上の死者が発生した.1960~1980年代は,
多摩川(昭和49年),石狩川(昭和50年),长良川(昭和51年)などの大河川水害ととも
に,都市水害が増加し,顕著な土砂灾害も発生した.神田川流域では河川 下水道からの
氾滥被害,鹤见川流域では流域开発及び河道改修の进捗を上回る都市化に伴う浸水被害,
元々浸水が多かった寝屋川 天白川流域では浸水地域の都市化に伴って都市水害が発生し
た.土砂灾害としては天草水害(1972),小豆岛の灾害(1976),长崎水害(1982),山阴水害
(1983)が顕著な事例で,100名以上が犠牲となった. 
1990年代からは都市への水害が集中し,鹿児岛(1993)に始まり,新潟 崎玉 高知(1998),
福冈 山口(1999)と地方中核都市が相次いで被害を被った.そして,2000年には东海豪雨
- 1 - 
灾害により三大都市圏名古屋が浸水被害を被った.1990年代后半以降は,人口 资产が集
积した都市域が被灾したため,水害被害密度(一般资产等水害被害额/农地を除いた浸水面
积)が急増し,东海豪雨では被害の90%以上が一般资产等(一般家庭,事业所)被害となり,
各种都市机能がマヒするという典型的な都市水害の様相を呈した. 
水害の発生形态は,河川改修事业の进展や社会経済状况の変化に伴い変化してきており,
このような変化に対応するため近年の水害の被灾原因を解明し,その教训を今后に生かし
て行く必要がある.一方,川が本来持っている特性に起因する被灾原因もあり,これらに
ついてもあわせて解明していく必要がある.本报告ではこのうち留意すべき项目を中心に
记述した.水害事例は河道 洪水特性の违いを考えて,地形(河道セグメント)毎に分类
して,以下に记述した. 
3.近年の水害事例 
【山间地における水害】 
①平成11年8月 酒匂川支川玄仓川(神奈川県山北町) 
事故现场は,酒匂川水系主要な支流の一つである玄仓(クロクラ)川の河川敷にある.当
地点は三保ダムのダム湖「丹沢湖」のバックウォーター直上にある立间堰堤上の堆砂地で,
川幅は约100mである.当日の雨量は349mm/29时间で一年に1,2回起こる程度の普通の雨
と言われている. 
河原でキャンプ→ 大雨による増水→ キャンパー18名が浊流に呑み込まれ,13名が水死 
ダムからの放流 
この事故では13名のキャンパーが洪水に流され,尊い命を失った.NHKが旧土木研究所
に持ち込んだビデオ映像によると,キャンパーが洪水に流される直前の水深は1.2m,流速
は2m/sと推定される.従って,これまでの水中歩行(现地における避难歩行调査及び実験)
结果からすると,水中にたつのが非常に困难な水理量である.事故発生后,自己责任や情
报伝达の问题が指摘された.大雨时には玄仓川ダム管理事务所(県)や警察がキャンパー
に避难を呼びかけ,数多くのキャンパーは避难した.一方,キャンプ惯れしていた人ほど,
自分たちの判断で河原に残り,被灾している.过去の経験から误った判断をする,いわゆ
る「正常化の偏见」により被灾したのが一因であると考えられるが,今后は个人が的确に
判断できるような详细な情报の提供が望まれる. 
また,同种の现象として,大雨洪水警报が缲り返し出され,一部的中しない场合もあっ
たため,警报惯れで避难が遅れたケ-スや水害常袭地帯でいつものように家具の移动をし
いていて避难が遅れたケース,洪水の情报が伝达されず収集する手段も无かったため被害
を受けた地下街のケースなどがあり,洪水に関する情报の信頼性や出し方はきわめて重要
であると言える. 
【谷底平野における水害】 
②平成10年8月 那珂川支川余笹川(栃木県那须町他) 
福岛県白川郡西郷村大字真船(阿武隈川の最上流域で余笹川最上流域那须の北西)地点
- 2 - 
の日雨量は,8月25日(9:00~9:00)13mm,26日570mm,27日285mm,28日69mm,29
日279mm,30日51mm,総雨量1267mm,短时间雨量は最大时间雨量90mm,最大2时间
雨量138mmで,最大日雨量の570mmは,当地点で得られている昭和21年から平成8年
までの観测値の过去最大雨量261mmを大きく超え,その确率规模は1/300程度となってい
る.従って,真船観测地点に近い阿武隈川上流域や那珂川上流域には极めて大规模な降雨
が発生したと考えられる. 
急勾配河川 →激しい流路の変动 →土地家屋の流失 
豪雨による流出→侧岸侵食による川幅拡大 
桥梁取り付け盛り土による氾滥水の堰上げ→上流浸水域の拡大 
桥梁の被灾→取り付け盛り土の侵食 流失 
→取り付け部地盘の侵食 流失 
→桥桁の流失 
护岸背后の土砂流出→护岸が孤立し,背后が水路化 
流木による桥梁の闭塞 堰上げによる越水 浸水被害の発生 
山阴水害(昭和58年)の三隅川や余笹川などに见られるように谷底平野は氾滥域が限定さ
れているため,氾滥流の流速が早く,家屋 土地が流失する危険性がある.余笹川9km地
点(寺子桥,勾配1/120)における氾滥原上の流速を计算すると,速い个所で约4~5m/s
である.流速が速いため元の河道を离れ直进する氾滥流となり,激しく流路が変动するこ
ととなる.図-1,2,(石堀子桥下流约800m地点)に示したように,氾滥流は时には河道と
异なる流域を流下し,氾滥原内の家屋,农地,树林を流失させるなど,大きな被害をもた
らす.また,この氾滥流が氾滥原に乗り上げたり,河道に戻る际には河道の侧岸を侵食し,
河道沿いの家屋を流失させる场合もある.
この水害からは「急勾配の河川では,洪
(1) 洪水前の氾滥原 
(1) 洪水后の氾滥原 
図-1 洪水流による家屋などの流失状况 図-2 氾滥被害のスケッチ図 
- 3 - 
水が河道から离れて侧岸侵食することを
考えて,氾滥流の乗り上げや戻りに対し
て,十分な耐力を持った护岸等を建设す
る必要がある」ことが教训として言える. 
余笹川流域には元々山からの风除けと
して防风林(树林帯)が有り,これによ
り,家屋が流失を免れた事例も多い.余
笹川の东北自动车道桥梁~黒川合流点
(14km区间)で见ると,上流侧に树林
帯があった家屋の流出率は树林帯がなか
った家屋の流出率の约半分であった.こ
れは树林帯により氾滥流の流体力(v2h)
が軽减された结果である. 
桥梁被害としては,余笹川の余笹桥(国
道294号)は被灾した(図-3)のに対し
て,位置が近く河道规模も类似の黒川の
樋世原桥は被灾しなかった.これは余笹
桥は桥长が38mであるのに対して,右岸
の氾滥原上に79mの取り付け盛り土が
あったため结局氾滥原上の流れは架桥地
点で约1/3の水面幅となり,桥の上下流で1m以上の水位差が生じた(図-3).これにより,
桥脚本体の损伤はなかったものの,取り付け道路约60mが流失するとともに,左岸侧の桥
台の一部が流失した.なお,樋世原桥は桥长が道路盛り土长の约2倍であった.従って,
このような洪水実绩等も踏まえて盛土长をなるべく短
くする,または盛土の一部をピア形式にするなどの対
応を検讨する必要がある. 
図-3 余笹桥(国道294号)における水位の堰上げ 
また,山地部では,豪雨による山腹崩壊などにより
洪水时に大量の流木が流れて出し桥梁等で闭塞を起こ
し水位を堰上げ,急激な水位上升をもたらし,场合に
よっては越水灾害を起こすこともある.発生流木量に
ついては,既往の灾害事例4)より,崩壊面积との间に
相関関系があることが知られている. 
流速が速い洪水流が発生すると天然河岸はかなりの
幅で侵食被害を被る.旧(财)国土开発技术研究センターが昭和58,59年灾を対象に実施
した被灾実态调査结果によると,全体で见て1出水で平均20m前后,最大で约40mの侵
食幅となっている.余笹川の场合も流路幅が洪水前后で20~40mから60~100mへと変化
しており,大きな横侵食があったと考えられる.また,中小出水でも河岸が侵食される场
合があり,例えば,利根川支川の小贝川49.2km地点では平均して约1m/年づつ河岸が侵食
図-4 小贝川における侵食量の累积値 
- 4 - 
図-5 大场川における浸食状况 
されている(図-4).このように洪水时
における侵食が大きい场合は,これら
の事例を参考にするなどして,出水前
に侵食幅を确认したうえで,1出水で
侵食された场合に堤防が危険な状态と
ならないかどうかの评価をしておく必
要がある. 
【扇状地における水害】 
③平成10年8月 狩野川支川大场川
(静冈県三岛市) 
本州上に停滞した前线と台风4号の影响で,26日から降り始めた雨は,28日には汤ヶ岛,
天城,持越で时间雨量60mm以上を観测し,30日までの累计雨量は上大见で582mm,丹
那で506mm,天城で687mmと狩野川台风を上まわる総雨量を记录した.三岛では総雨量
430mm,最大时间雨量47.5mmであった. 
河床掘削→河床が砂层→出水で河床洗掘→护岸流失 
平成2年9月の豪雨灾害后,疎通能力増大のために河床を约2m掘削する河川改修工事
を実施した结果,砂层が出てきて,河床材料がれきから砂へと细粒化した.そこへ台风4
号などによる集中豪雨に伴って,高流速の洪水が発生して,大量の河床材料が押し流され,
局所的には约1m河床低下(改修前に対しては约3m)となるなど,洪水前と比べて落差工
间で凹状の河床縦断形状に変化した.この河床洗掘の结果,护岸が流失したり,侧岸が侵
食されるなどの被害が発生した(図-5).この水害からは「河床掘削にあたっては,河床材
料がどのように変化するかをボーリング调査结果などにより推测し,想定される洪水によ
り急激な河床低下が生じないかどうか确认しておく必要がある」ことが教训として言える.
また,河川によっては河床に岩が露出している场合があり,この层を掘削すると下层の砂
层が出てきて,一気に河床低下が进むと言った同様の现象が见られる场合がある.なお,
洪水疎通能力を増大させるために河道の拡幅やショートカットを行った场合に扫流力が変
化して元の河道状态に戻ったり,河床材料が変化するケースも见られる.このようなメカ
ニズムもある程度解明されてきており,改修により扫流力が15%以上変化すると,河道は
自己调整して元の状态に戻る(又は河床材料が変化する)ことが分かっている. 
河道の流砂については国総研では那珂川支川涸沼川に流砂観测施设を设置し,昭和63
年より観测(河床バケットによる扫流砂観测,水深方向5个所の采水ポンプによる浮游砂
観测)を実施してきた.地方整备局においても国土技术研究会を契机として観测が行われ,
数多くの河川において,流砂データが収集 分析されつつある.また,同研究会で开発さ
れた流砂捕捉ポンプが开発(9河川に设置)により,粒径5mm以下の土砂は流砂観测も可
能となった. 
こうしたモニタリング机器の开発及びモニタリング体制の强化に伴って,縦断的な土砂
动态(本支川,上下流)が明らかとなり,その観测结果を用いた水系土砂动态マップの作
- 5 - 
図-6 阿武隈川と堀川合流点付近の被灾状况 
成が可能となり,河道管理への适用が现実味を帯びてきている. 
④平成10年8月 阿武隈川(栃木県,福岛県) 
降雨状况は余笹川に同じ. 
高水位が长时间継続→漏水の発生→水防活动により漏水破堤せず 
小段法尻からの漏水,裏法尻からの基盘漏水 
水冲部が洗掘 →越水に伴う氾滥流の発生→堤防 堤内地盘の侵食→逆破堤 
合流点において越水→破堤(1山目)→破堤规模が拡大(2山目) 
阿武隈川における被害で特徴的なのは本川及び支川バック堤における漏水灾害,支川(福
岛県)における桥台 桥脚の被害である.漏水は今回の洪水が2山ピークであり,浸透外
力が长期化したために,阿武隈川上流及び支川逢瀬川のバック堤で発生したものである.
当该区间は河床縦断勾配が缓くなった区间で堤防高も高かった.なお,漏水は生じたもの
の,水防団 福岛県 建设省による悬命の水防活动の结果,漏水破堤は免れた.桥台は河
床及び护岸の洗掘,桥脚は局所的な河床洗掘により被害が発生した.ほかに越水に伴い氾
滥被害も発生した.氾滥水は地盘高の低い所を流下し,堤内地侧から堤防を越水し,逆破
堤を起こした(図-6).また,合流点において越水灾害が発生した.これまでにも合流点,
河床勾配変化点,横断构造物の设置个所などで越水しやすいとされてきたが,今回の被灾
もそれを裏付けるものである. 
【冲积平野における水害】 
⑤平成11年6月 御笠川(福冈市) 
福冈管区気象台における雨量は,6时から11时の连続雨量で136mm,最大时间雨量77mm,
最大60分间雨量79.5mmであった. 
①下水道からの氾滥→①10~35cmの浸水 →地下鉄,地下街などの浸水 
②越水の発生→①②复合して1m前后の浸水 
下水道は通常1/5~1/7の计画降雨に対して整备が进められている.福冈市の场合も従来
52mm/hr(超过确率1/5)で整备されてきたが,近年郊外を中心に59mm/hr(超过确率1/10)
を目标に整备され始めている.この确率を超える豪雨の発生や河道の水位が高い场合には
- 6 - 
図-7 博多駅周辺の浸水状况 
下水道からの氾滥が発生する.下水道からの氾滥は越水氾滥并みの浸水上升速度(図-7)
を持つが氾滥量はそれほど多くない.横浜市などにおける下水道からの氾滥被害実绩を见
ると,広くても概ね学校の校庭程度であり,暂定的には校庭贮留などで対応することは可
能である. 
モデル流域に於いて,下水道の流下及び氾滥を同时に解析した结果,排水先となる河道
の整备状况が不十分な场合に下水道整备を进めると,逆に水害被害が増大する场合がある
ことがわかっている.従って,河川と下水道の安全度バランスに注意しながら整备を进め
て,流域全体の治水安全度向上を図らなければならないと言える. 
地下室への浸水の流入は地下の床面积A/出入り口幅Bで规定される.地下施设への浸水
开始からt分后の浸水深をH(m)として,后述の流入量実験式をもとに计算すると 
t=3.0((A/B) H )0.35 
- 7 - 
地上における浸水位上升速度が20cm/10分の场合,浸水が天井(H=3m)までに达する时
间はA/B=20m(福冈相当)の场合が13分,50m(新宿相当)の场合が约17分と非常に速
い.対策としては后述のように地下入り口部へのステップや防水板の设置が有効である. 
⑥平成12年9月 新川(名古屋市他) 
名古屋の南西侧を中心に11日から12日の午前中にかけ総雨量で500mm以上の雨が降っ
た.最大时间雨量は名古屋で97mm,东海で114mm,最大日雨量は名古屋で428mm,东海
で492mm,2日间の雨量は名古屋で567mm,东海で413mm であった.1891年~2000年
の110年间のデータを使った岩井法による名古屋についての再现确率は,最大时间雨量が
100年弱に1度,最大日雨量が1万年以上に1度となっている. 
浸透しやすい砂质堤防→漏水の発生+越水 → 破堤に伴う氾滥 
洗堰を通じた庄内川洪水の流入 
高水位が长时间継続 →破堤回避のためにポンプ排水停止 → 内水の発生 
内水河川 下水道の整备水准を上回る 
豪雨の発生 →一部ポンプの故障 
新川では河床材料などを堤防の嵩上げに用いてきたため,堤体土质は砂质が多い.砂质
堤防は透水性が高く,更に当该区间は天端が舗装されてなかったために,雨水の浸透も多
かったと考えられる.しかし,新川の破堤个所では计画高水位を11时间も超过しており,
基本的にはこうした高い水位が长时间継続したことが破堤に影响をおよぼしている. 
漏水灾害を防ぐには阿武隈川等で発生したような长时间の浸透外力に耐える堤防设计が
必要で,「河川堤防设计指针」に示されている通り,钢矢板工やブランケットにより川表の
透水性を低くするとともに,法尻にドレーン工や堤脚水路を设けて川裏の透水性を高くす
ることが重要である.まお,天端舗装やドレーン工だけの简易な漏水対策でも,ある程度
までの耐浸透効果が期待できる. 
新川流域では新川の水位が高くなってきたため,爱知県名古屋土木事务所が流域の各市
区にポンプ排水を停止するよう要请した.これに伴って运転を调整したポンプ场がある.
排水机场によっては,电気系统の故障や浸水によりポンプが停止した所もあった.平成10
年の新潟下越水害においても停电时によりポンプが停止しており,停电时のバックアップ
図-8 水文现象の时间特性を変化させる要因 
- 8 - 
体制を再强化する必要がある. 
洪水时における迅速な防灾体制の确立のためには,洪水等の水文现象(洪水,氾滥など)
を时间特性の観点から见る必要がある.そのため,洪水位上升速度を流域面积に対して调
べるとともに,破堤幅の进行速度,氾滥流の伝播速度,浸水上升速度などが整理 分析さ
れた.今后はこれらの水文现象の时间特性を変化させる要因について评価しておく必要が
ある(図-8). 
また,この水害の背景としては,高度経済成长期の地下水の汲み上げによる地盘沈下,
急激な都市化やそれに伴う流出率や流出到达时间の変化,本川との合流时差の减少等が考
えられ,対策として浸透能力や游水施设の保全 确保等の流域治水対策が必要である. 
これらを踏まえ平成12年11月9日に「都市型水害に対する紧急提言」が都市型水害検
讨委员会から出され,水灾危机管理 被害軽减,水灾时の情报提供等をはじめ,河川堤防
の强化(天端舗装,光ファイバー等を活用した堤防监视),排水ポンプ场の耐水性强化,运
転调整と运転调整基准の明确化,流域の水灾特性を考虑した安全度バランスを考虑した计
画の必要性(治水システム整备段阶に対応した贮留 浸透机能の确保,多様な手法による
下水道対策,耐水に配虑したまちづくり)等々が提言されている.また,后述のように平
成13年7月には水防法が改正され,平成14年3月には「地下空间における浸水対策ガイ
ドライン」が国土交通省により発表された. 
以上を包括的に整理し検讨するとこれまで述べてきたことに加え,更に次のような课题
が考えられる. 
①异常降雨はこれまでもあったし今后も确実に起こり得ることを前提に水害対策を考える
必要がある.一方,豪雨は近年多くなっている倾向も指摘されているが,过去においても
同様な教训が得られる异常気象が発生しており,これらの水害事例からの教训は现在にお
いても十分有用である.これら教训に基づく対策は再度评価され,强化される必要がある. 
例えば地下被害の発生状况は下表の通りであり,地下水害は以前より発生していたこと,
时间雨量が概ね70mm以上で発生していることが分かる.过去20年间(昭和54年~平成
10年)のアメダスデータ(约1,300地点)で调べると,70mm/hr以上の豪雨が発生したの
は30.3地点/年(延べ)で,岛屿や高地(300m以上)を除いても17.7地点/年もあり,こ
のような豪雨の発生可能性はそれほど低くない. 
表-1 地下鉄及び地下街における主な水害 
地下鉄 昭和48年8月 名古屋市営 平安通駅でホーム上40cm浸水 
东山 名城线 (80mm/hr) 
昭和56年7月 都営三田线 内幸町駅が内水 
昭和60年7月 都営浅草线 西马込駅が内水(68mm/hr) 
昭和61年8月 仙台市営 开业前に浸水 
昭和62年7月 京阪电鉄 鸭川支川の水が浸入(70+78mm/hr) 
平成元 年8月 都営浅草线 五反田駅(70mm/hr) 
平成 5 年8月 営団丸の内线 赤坂见附駅 
- 9 - 
平成11年6月 福冈市営 博多駅(77mm/hr) 
平成11年8月 営団半蔵门线 渋谷駅が内水 
〃 営団银座线 溜池山王駅が内水 
地下街 昭和45年 八重洲 河川の水圧で工事用の防水壁が壊れ,水が浸入 
昭和57年 新宿歌舞伎町サブナード 内水 最高30cm浸水 
昭和58年9月 名古屋市セントラルパーク 内水 
平成11年6月 博多駅,天神(77mm/hr) 
②都市机能(ライフライン,交通等)や灾害弱者等を含めた水害ポテンシャルを踏まえ,
内 外水,大 小河川,本 支川等のバランスを考虑した流域全体の治水计画が必要とな
っている. 
大河川の氾滥は大きな被害をもたらすが,逆に都市部などでは中小河川の氾滥や内水氾
滥が同じような被害をもたらすことがあること,上流や支川の安全度向上が下流の安全度
を下げること,下流に比べ上流や支川の安全度が低く过ぎる场合はナショナルミニマム的
な考えが必要になることと等,流域の被害のポテンシャルを踏まえ水灾被害を最小にする
よう安全度バランスを考えていく必要がある.その际には下水道とのバランスやライフラ
イン 交通などの都市机能の维持,弱者の避难対策等も勘案していく必要がある. 
③二线堤の検讨,树林帯,ポンプの运転など氾滥を想定した减灾対策を十分検讨しておく
必要がある. 
流域治水においては氾滥流制御は重要な対策の一つである.この氾滥流制御には,例え
ば吉田川流域に建设されている二线堤,雄物川中流部(强首地区)に建设中の轮中堤,大井
川流域に见られる防灾树林帯(地元では舟型屋敷と称している),水路ネットワークなどが
ある.二线堤は氾滥原勾配が1/1000より缓く,资产较差が3倍以上が効用を発挥する目安
となるが,设置に伴って,局所的に浸水深が増大する场合があるので,その得失を事前に
シミュレートして,全体被害が軽减されるように计画する必要がある5).轮中堤は桜川や
雄物川に建设されているが,兼用道路や二线堤等による轮中堤化が基本となる.筑堤方式
との比较により,工费 工期の点で优劣を判断する.水路ネットワークでは洪水は水路内 
┌—二线堤 :鸣瀬川支川吉田川 
┌—流况制御 —┤ 
│ └—防灾树林帯 :大井川,狩野川 
│ ┌—诱导水路,紧急排水路:小贝川,阿贺野川 
氾滥流制御手法—┼—氾滥水诱导 ┼—水路ネットワーク :柳川,长良川支川 
│ └—氾滥原ポンプ 樋门 :笛吹川支川大堀川 
│ ┌—轮中堤 :长良川,雄物川, 
└—拠点防御 —┤ 桜川 
└—耐水性建筑物 :神田川流域他多数 
- 10 - 
を氾滥水より高速で伝播するので,排水先にポンプを设置しないと,水路末端で早期に氾
滥する场合がある6).小贝川水害(1986)でも同様の现象が见られた. 
4.防灾対策のための研究开発事例 
これまでに発生してきた灾害事例などを教训にして,国総研では様々な防灾対策のための
研究开発を行ってきた.研究开発事例は前章の番号に対応させて以下に示している. 
1)越水破堤 
越水対策 难破堤堤防 
土木研究所における越水堤防実験等から,越水に3时间程度耐えられる难破堤堤防(図
-9)が开発されている.これは越水により最も大きなせん断力が発生する裏法尻に法尻工
を入れるとともに,天端を舗装工で守り,裏法斜面には保护マット(吸い出し防止材)を
付けた遮水シートを重ねて敷く工法である.堤防法面は1枚法にし,法勾配は3割として
いる.なお,法尻工は跳水を确実に跳ねる长さ,最大洗掘深以上の深さが必要であること
が分かっている.また,同时に漏水対策として,裏法尻に水抜き用のドレーン工も设置す
る.高さ3m,幅2.3mの堤防を用いた2次元実験の结果,2m规格の遮水シートを缝い合
わせたケースでは法尻部で侵食が発生したが,15cm幅でシートを重ねたケースでは越水
30分后以降,若干の表面侵食は见られたが,越水3时间までは特に问题となる浸食は见ら
れなかった.この种の难破堤堤防は那珂川,新川などで施工されている. 
简易な越水対策としては,建设省の都市型水害紧急委员会での提言や越水堤防実験结果
で示されているように,堤防天端を舗装するだけでもある程度は耐越水効果があることが
分かっているので,雨水の浸透対策も兼ねて天端舗装を行うことが重要である. 
図-9难破堤堤防の基本构造例
2)漏水破堤 
漏水被害対策 光ファイバーによる崩壊検知 
光ファイバーを漏水被害が発生しやすい川裏に配置しておくと,光ファイバーが漏水に
伴う法すべりを歪みとして検知し,危険情报として伝达することが出来る.滑りに伴う2cm
以上の歪みがあれば,検知可能である.漏水被害の位置を2m精度で検知するには20km
以下の地点に中継基地を设ける必要がある.一方,护岸基础の浮き上がりに伴って,护岸
裏の土砂が流失する.この现象を実験で再现し,光ファイバー(川表)で土砂の流失を検
- 11 - 

図-10 侵食防止シートの効果概念図 
知できるかどうかの実験を行った.実験では光ファイバーの设置状态が十分でなかったた
めに土砂が流失してから10~20分后に光ファイバーが反応する结果となった.まだ,検讨
课题は残るものの,光ファイバーは漏水崩壊のようなゆっくりとした现象には対応できる
が,护岸崩壊のような速い现象に対応させるためには工夫が必要となりそうである. 
3)河岸侵食 
河岸侵食防止+环境対策 侵食防止シート 
従来侵食防止工としてはコンクリート护岸などにより刚的に河岸を保护しようとしてきた
が,侵食防止シートは法面の植生の耐力を活用したものである.最近の研究で植生自体に
もある程度の耐侵食力があることが分かってきた.流速の速い洪水流で植生が流失するの
は植生の根付近の土砂が洗われ,根が流失するためであり,根をシートにより守ることが
出来れば,植生の耐侵食力が更に増大し,コンクリート护岸に逊色ない防御机能を発挥す
ることが出来る(図-10).また,シートの繊维间に土が充填されており,施工后植生が繁
茂し,自然环境にとっても良い状态となることが期待される.侵食防止シートはポリエス
テルやポリプロピレン制で,维径が0.3~1.4mm,空隙率が9割以上のものである.コスト
はコンクリート护岸の约半分である.现在江戸川,阿武隈川,仁淀川などに试験施工され
ている. 
4)氾滥流被害 
氾滥流による家屋流失の防止:防灾树林帯 
余笹川水害においては,家屋の上流侧にあった树林帯により多くの家屋が洪水氾滥によ
る流失から免れた.现地调査の结果,树林帯があった家屋の流失率は树林帯がなかった家
屋の流失率の约半分であった.こうした树林帯の家屋流失防止効果は水理模型実験及び数
値解析によっても明らかとなっている.すなわち,树林帯には氾滥水を侧方に跳ねる"水
跳ね効果"があり,树林帯の下流侧は特に流速が低减され,その结果家屋に作用する流体
力(v2h)が减少する倾向にある.図-11に示すように,树林帯により氾滥水の流体力が半
分以下に低减される领域は树林帯幅の约3倍である.なお,図中の流体力は树林がない场
合の流体力で无次元化している.この条件(现地换算値)は树木(干径21cm,间隔2.4m,
枝あり),树木本数(流下方向4本,横断方向16本),水理量(水深2.8m,平均流速3.3m/s)
である.この手法は氾滥域では古来より采用されていたものであり,大井川流域や狩野川
流域などで见ることができる. 
氾滥水の地下への流入 
- 12 - 
(1) 実験结果 
注) 水路半幅の范囲で示している 
(2) 计算结果 
図-11 树木帯による无次元流体力 ( u2h / u0
2h0 ) の軽减効果 
氾滥水は地下室へどのように流入して,浸水させるのであろうか.都市河川研究室では
缩尺1/3の模型を用いて水理実験を行った(写真-1).実験に使った地下室への阶段は被害
が発生した福冈及び新宿の阶段の平均値より,蹴
上(铅直高)6cm,踏み面(奥行き)9cmとした.
実験の结果,地下室への流入量Qは以下の実験式
で表すことができる. 
Q=2.3Bh1.8 
ここでQ:流入量(m3/s),B:出入口幅(m),
g:重力加速度(m/s2),h:道路上水深(m) 
氾滥水の上升速度は福冈(図-7)をはじめとする
既往の水害実绩より概ね10~20cm/10分であるか
ら,20cm/10分と仮定すると,前述の通り,t
1を道路浸水后,地下施设へ流入するまでの时
间(分),t2を流入してから水深Hになるまで
の时间(分),S(m)を出入口と道路との段差とし
て以下のようになる. 
写真-1 地下施设への浸水流入実験 
図-12 地下室浸水のt~H関系 

t2=3.0(—— H)0.35 

t1=S/0.02 
ステップがある场合(図-12),例えば 
- 13 - 
S=20cm(ステップ)の场合,t1=10分 
S=80cm(ステップ20cm+防水板60cm)の场合,t1=40分 
となり,地下室の水没时间10~20分程度に比べ大きな余裕时间を生み出せることになる. 
5)今后の研究の一方向性 
①水防法の改正と関连研究事例 
上述のように近年の灾害における课题として,外水,内水を含めた浸水危険度の的确な
评価,これを踏まえた流域内のバランスの考え方,地下空间対策,洪水时の情报の収集 
伝达,避难体制の充実といったことがあげられる. 
これら近年の灾害をふまえて平成13年に水防法が改正された.主な改正点は以下の通り
である. 
(1) 都道府県知事が管理する河川への洪水予报指定河川の拡大. 
(2) 洪水予报河川がはん滥した场合に,浸水が想定される区域を浸水想定区域と 
して指定するとともに,浸水想定区域および浸水深を公表する. 
(3) 市町村地域防灾计画において,浸水想定区域ごとに,洪水予报の伝达方法 避难场
所その他円滑かつ迅速な避难の确保を図るため必要な事项を定める. 
(4) 浸水想定区域内に地下街などの不特定かつ多数の者が利用する地下にもうけ 
られた施设がある场合には,利用者の円滑かつ迅速な避难の确保が図られるよ 
う,市町村地域防灾计画において洪水予报の伝达方法を定める. 
このような课题に対し,国土技术政策総合研究所では地下空间の浸水危険度评価に関す
る研究,都道府県管理の中小河川などにおける洪水予测手法,レーザースキャナーを用い
た河道,氾滥原データの作成技术の开発を行っている,また,外水と内水による浸水被害
の危険性 安全度を评価するための技术开発として,水灾シナリオ别の氾滥シミュレーシ
ョン技术の开発及び避难诱导解析システム等の研究开発を行っている. 
ここでは,特に以下の研究内容について绍介する. 
(1)地下空间の浸水危険度の评価に関する研究 
都市内の地下空间は公共,民有をとわず无数
くは対策が遅れているのが実情である.した
がって,地下空间における被害は全国至る所
の地下空间において発生する可能性があり,
今后,地下空间の浸水発生危険性を认识する
とともに,浸水対策の実施や适切な避难行动
の启蒙を进めるためには,地下空间の浸水に
より生じると考えられる事态についての情报
提供が不可欠である.このため,水害研究室
では,地下空间への氾滥水の流入特性を明ら
かにするとともに,主要都市における地下空
间の浸水リスク评価を行っている. 
にあるが,鉄道等一部の公共施设を除き多

広い范囲の降雨
狭い范囲の降雨
(局所的な集中豪雨)
中小河川からの氾滥
内水氾滥
下水道管路
破 堤
溢 水
大河川からの氾滥
広い范囲の降雨
狭い范囲の降雨
(局所的な集中豪雨)
中小河川からの氾滥
内水氾滥
下水道管路
破 堤
溢 水
大河川からの氾滥
-13 危険度评価で取り扱う氾滥形态 図-13 危険度评価で取り扱う氾滥形态 
- 14 - 
図-13は,地下空间の危険度评価を行うにあ
水や破堤による外水氾滥 
は,様々な
,地下空间の利用形态,施设规模等により,発生する浸水被害が大きく异なること
,上记の検讨から得られる地下空间の危険度评価指标の表示例である.これに
空间を対象とした地下空间の危険度评価データベースを构筑
2)中小河川における洪水予测 氾滥解析技术の开発 果から见ると,気象庁 気象协会

水予报をおこ

図-14 简単な地下空间の危険度评価 図-14 简単な地下空间の危険度评価 
表示例 
表示例 
たり考虑すべき氾滥形态を示した図である.
考虑すべき氾滥形态は,以下のとおりである. 
局所的な集中豪雨等により発生する内水氾
滥(洼地湛水等) 
中小河川からの溢
大河川の破堤による外水氾滥 
地下空间の危険性を评価するに
氾滥形态を用いて评価する必要があるため,
水害研究室では,内水 外水の双方を解析で
きる氾滥シミュレーションの开発を行ってい
る. 
また
から,地下空间规模毎に,浸水により起こりうる被害について,危険度评価ができるよう
にする. 
図-14は
より,各地下空间の危険度ランクの表示を行い,危険度ランクに応じた地下空间の浸水防
止対策方法を提示できる. 
今后は,全国の主要な地下
する. 
(
洪水予报の现状を大臣指定河川について既往の调査结
の予报雨量を基に算出した洪水流量を用いて予报しているケースが约6割と多い.この
ほか,民间会社等から得た予报雨量を用いて洪水流量を算出ているケースもある.算出に
当たり,実绩水位を用いてオンライン キャリブレーションによりパラメータを自动修正
して精度向上を図ったケースが2/3もある.一方,急流河川等で流量ではなく水位相関法
により求めた水位を予测している地点も约1割ある.ただし,予侧期间は2~3时间程度
先となっており,今后より长期间の精度の
高い予测が望まれる. 
一方,水防法改正により,都道府県知事
が管理する河川についても洪
図-15 洪水予测手法検讨内容 
うこととなり,洪水予报河川では,浸水
想定区域を公表することとなった.しかし
ながら,都道府県知事が管理する中小河川
では,洪水到达时间が短く,河道横断デー
タや特に流量等の水文データが十分でない
河川も多い.また,中小河川で氾滥解析を
- 15 - 
行うにあたっても,河道,氾滥原地盘データが十分でない流域もある.このような课题に
対応するために,水文データ等の整备状况に応じた洪水予测手法とその精度分析を行い,
中小河川における洪水予测手法と予测精度について提示を行う.また,河道氾滥原地盘デ
ータが十分でない流域での氾滥解析を可能とするために,航空机搭载のレーザースキャナ
により取得した地形モデルに基づく河道 氾滥原データの作成に関する研究开発を行って
いる. 
中小河川の洪水予测については,図-15に示すように,各种洪水予测手法で,各种雨量
データ(レーダ雨量,地上雨量),予测雨量,流量データ(実测H-Q式,计算値)各种キ
ャリブレーション手法を用いて,精度の検证,予测手法の提示を行う. 
レーザースキャナにより取得したデータを氾滥解析に适用する际のメリットは,都市计
画図から得られる标高よりも高精度 高密度の标高を入手できることである. 
レーザースキャナデータの氾滥解析への活用方法として,以下の方法がある. 
高精度の地盘高を作成できることで,実态に
即した氾滥解析が行える 
高密度の构造物の标高を入手できるため,详 
细な构造物データ(盛土等)が作成できる 
详细な地形モデルを要するシミュレーション
手法(不定形メッシュによる解析)への适用
性が高い 
水害研究室では,このレーザースキャナデー
タを利用し,氾滥解析に必要となるデータの作
成,精度向上に向けた研究を行っており,主な
検讨内容は,以下のとおりである. 
河道横断データの作成手法の検讨 
不定形メッシュ(地形に适応したメッシュ) 
の作成方法の検讨 
図-16 レーザースキャナによる计测 
②気象予测降雨の精度の向上に対応した研究事例 
地球规模水循环変変动(気象予测精度の向上)に対応した水管理技术に関する研究 
全球的な気象データの収集 整理については,世界気候研究计画の相互协力プロジェク
トとして统合地球観测戦略パートナーシップの支援を得ながら日本のリーダーシップのも
と地球规模の水循环変动に関する强化観测プロジェクト(统合地球水循环强化観测计画
(CEOP))が2001年7月より2004年9月を目指して行われている.このCEOPは,世界
33个所の地上観测サイトの観测データや卫星観测データ等を用い,モンスーンシステムの
解明,水 エネルギー循环のシミュレーションと予测及び気象予测の精度の改善を目指し
ている.また,3月より活动を开始している地球シミュレーターは,最大计算性能40テ
ラフロップス(1秒间に40兆回の计算速度),メインメモリーは10テラバイトの现时点で
世界最高レベルの超高速并列计算机システムで,地球観测卫星やブイ等からの観测データ
- 16 - 
等を积极的に活用しながら,地球温暖化,大気や海洋の汚染,エルニーニョ现象,集中豪
雨及び台风の进路予想,1kmメッシュでの云の活动 降水过程の3次元的再现等の复雑な
现象を理解することができ,経済社会活动の発展や地球环境问题の解决への贡献ができる
ものと期待されている.さらには地壳変动,地震発生等の现象の解明への贡献も期待され
ている.现在気象庁では短期予报の一つとして防灾気象情报については,日本周辺につい
て水平解像度10kmで18时间先までの予想を1日4回行っている.また,长期予报につい
ては,地球全体について水平解像度110kmで1か月先までの予报を周1回行っている.上
述の観测体制の强化や计算技术の向上している状况のなかで,数値予报モデルについても
GSM60km,MSMからNHMモデルの开発へと进み,モデルの水平解像度もそれぞれ60km
から40kmへ,20kmへ10kmから5km更には2.5kmへとより狭い気象现象を対象としてい
る.东海豪雨もその倾向を再现することが可能となってきている.また,台风モデルにつ
いても40kmから20kmへと解像度を上げようとしている. 
国総研においてもこの様な気象予报精度の向上が见込まれる状况を受け,降水量の実测
値にもとづく従来の経験的な水管理を打开し,気象卫星による地球规模の気象観测等によ
り精度が向上しつつある予测降水量を新たに活用して洪水予警报,贮水池の効率的运用等
を行うことができる次世代型水管理技术の开発を目指した研究を计画している. 
降水量の変动が経年的に拡大する倾向にあり,未曾有の洪水や渇水の発生する危険性が
増大しつつある.従来,洪水予测などの水管理は実绩降水量をもとに行っており 予测降水
量を适用したものとはなっていない.このことが,浸水时の避难の遅れや被害を増大化さ
せる一因となっている.洪水や渇水に机动的かつ的确に対応するためには,降水量の予测
情报を活用した水管理を行うことが急务である.このため予测降水量を误差の影响を加味
したうえで水管理に活用する技术を开発することができれば,灾害や渇水の発生を事前に
予知し,被害の防止 軽减を図り水灾害等の防止 軽减による安全な社会の実现に贡献で 
きる. 
贮水池の効率的运用による効果の例
降水量の予测情报

洪水,渇水等の予测

効率的な贮水池
运用方法の决定
渇水が予测される年には
洪水调节容量にも贮水.
少雨の年も渇水被害を回避
ダムの贮水量
洪水调节容量の
一部に贮水
1 7 10 12月
洪水期洪水期
ダムの贮水量雨の长期予测が困难なため,
洪水期前に贮水位を低下.
少雨の年は渇水被害が発生
洪水调节容量
1 7 10 12月
洪水期洪水期
これまで将来
给水制限
- 17 - 
総合科学技术会议 环境分野の重点课题「地球规模水循环変动研究」が平成15年度から
开始され,产学官连携のもとに予测降水量の精度向上等が図られる予定であり,これと连
携して取り组むこととしている. 
研究の成果の具体例として贮水池の効率的运用を示す.この図-17に示すように渇水が
予想される场合には洪水调节容量にも贮水しておきこれを渇水时に补给することにより被
害を軽减し,逆に大规模な洪水が予想される场合には利水容量を洪水调节のために用いる
ことにより洪水被害を軽减するなど,贮水池が有する潜在的な治水,利水机能を発挥させ,
既存施设を有効活用することが可能になる. 
5.2002年ヨーロッパ洪水 
2002年8月及び9月に,チェコ,ドイツ,ロシア,オーストリア,フランスで大洪水が
生じた.ここでは,このヨーロッパにおける洪水について述べる. 
1) 降雨 気象状况及び被害状况 
スカンジナビア半岛付近にブロッキング高気圧が形成され,寒冷低気圧が欧州を东进
したため,大気の状态が不安定となった.8月に入りヨーロッパの広い范囲で 降水量
が多くなり多くの地点で异常多雨となった.大きな被害が発生したドイツのドレスデン
では,8月1日~13日の间に平年比7.6倍の降雨量があり,ヨーロッパ各国の主要観测
点で,平年比4倍から8倍の降雨量となった.また,フランスでは,9月8日から9日
にかけて50年ぶりといわれる集中豪雨に见舞われ,ガール県ニームでは24时间で
762mmとほぼ1年间の降水量に匹敌する雨量を记录した.ドイツのドレスデンでの最
高水位はこれまでの最高の1845年より65cm高く流量确率で300年确率と评価されて
いる. 
死者数は150人以上(チェコ17人,ドイツ20人,ロシア62人,オーストリア 8
人,フランス27人他)に及び,复兴费用は,ドイツで约1兆5500亿円,チェコで约
2400亿円と报告されている.また,避难者数はチェコで约20万人,ドイツで约13万
人と报じられている 
図-17 贮水池の効率的运用による効果の例 
2) 原因と灾害対策の现状 
前述の通り异常降雨が大きな原因であるが, 
①旧东ドイツでは,川が増水した际运河建设で水を迂回させる措置がとられておら 
ず,治水対策を无视した改造が押し进められていた. 
②近隣诸国と合同の洪水対策がとられていなかったことも被害を大きくした一因. 
③もともとは氾滥原であるところに家屋や工场が无秩序に広がったために事态が悪 
化した. 
④フランスでは,河川の増水による危険周知が十分に行われなかった 
との指摘がある. 
なお,ドイツでは8月の大洪水以降,「洪水防止対策改善のための作业ステップ」连
邦政府の5项目プログラムとして,関系省庁が诸州と地方自治体,及び近隣诸国と协力
して具体的な作业ステップを実施することで合意している.以下にその概要を述べる. 
- 18 - 
(1)连邦政府と诸州政府合同の洪水防止プログラム 
○河川の氾滥原の确保 
既开発地は堤防で保护するが,下流地域における洪水の危険性が増大すること 
から,非开発地域では堤防の撤廃などによって河川本来の氾滥原を复元する.また,
制御可能な游水地を确保する. 
○分散による洪水の制御 
现存する河岸地帯の树林の効果的な保护,可能な范囲でその复元,河川の流路直线
化や护岸工事を行った地域の再自然化,洪水の浸透などによる开発地の贮留能力向上,
峡谷地や浸食のおそれのある倾斜地ではその场所にふさわしい土地利用の保障. 
○土地开発の制御――滞在的な损害の低减 
今后,氾滥原地域を新たな住宅地域や企业地域に指定しない.また,すべての河川に
おいて时间的に余裕を持って确実な洪水予警报を発する. 
(2)国境を越えた行动プラン――国际的な専门家会议 
州や国を越えて河川流域単位で洪水防止対策を进めることが,不可欠であるこ 
とから,各河川委员会は気候変动に対して明确な期限を设けた提案を作成する.これ
を采决して各分野の当该组织と共同して実行に移す. 
(3)ヨーロッパの共同作业の推进 
洪水防止対策の枠组みにおいて国境を越えた地域开発プランを含むプロジェク 
ト,国境を越えたプランへと変更するプロジェクトを政策的に支持する.指定された
氾滥原を含んだ国境を越える地域开発プランを作成するにあたっては,上流地域と下
流地域の国境にとらわれず连帯することが必要である. 
(4)河川改修の见直し―― 环境に配虑した船舶航行を展开 
船舶航行用の河川改修は,流路の変更をともないこれにより洪水が発生しやす 
くなる.すべての改修プランおよび同様の影响を与えると思われるすべての整备 
措置を见直し,その洪水防止に対する効果を新たに评価する. 
3)ヨーロッパ洪水における教训 
アジア诸国の河川は,一般にヨーロッパやアメリカ等の大陆の河川にくらべて,気候的
にも湿润多雨の気候であり,また流域面积が小さく急勾配な河川が多いため,流出が早く
河川の水も一気に増水し流下する.これに対して,ヨーロッパ,アメリカ等の大陆におい
ては,流域面积が大きく,河川の勾配も缓いため,アジアモンスーン地域にくらべて,洪
水による被害が少なく,水が多い(Too much water)といった问题すなわち洪水について
は他の水问题に比べてあまり大きな関心は払われていなかった.しかしながら,前述のド
イツにみられるように今回の洪水を契机に洪水対策について再度见直し等が図られ,世界
的にも注目されるようになった. 
また,河川,流域特性の违いがありその具体の手法には违いがあると思われるが,土地
利用规制,流域の贮留 浸透机能の确保といった日本でも今后さらに充実が必要とされる
课题についてドイツにみられるようにヨーロッパにおいても课题となっていることがわか
る. 
- 19 - 
6.おわりに 
2002年は世界中で洪水が発生した.特にヨーロッパの洪水は生起确率が数百分の1以下
の豪雨による极めて起こりにくい现象と考えられている.しかし,これまで述べたような
日本の最近の事例を见ると,同しような生起确率の豪雨が日本の各地で既に発生しており,
その意味では起こるべくして起こった洪水と言えるのかもしれない.日本においても一层
の洪水への备えが求められていると考える.そのための参考になれば幸いである. 
参考文献 
末次忠司:过去の水害を教训とした21世纪の水防灾-水防灾研究と施策への反映-,京都大学防
灾研究所研究集会(特定)12S-2,21世纪の水防灾研究を考える-最近の水灾害から见
えてくること-,平成13年3月. 
(财)北海道河川防灾研究センター:最近における洪水と土砂灾害,2000. 
富田贤一也:平成10年8月末豪雨による福岛県 栃木県豪雨灾害现地调査报告书,土木研究所资
料. 
末次忠司:都市型地下水害の実态と対策,雨水技术资料,№37,2000年 
福冈県:河川激特事业计画书 二级河川 御笠川,1999年 
末次忠司:水害被害の要因分析と减灾に向けた対策のあり方,水工学シリーズ02-A-3,2002.9 
他 
- 20 - 
(1)神山恵三:地下街と人间-安全性の総点検-,日本経済新闻社,1974年 
(2)高桥和雄 伊势田哲也 古次俊博:昭和57年7月长崎豪雨による建物附属设备の被害と复旧,
自然灾害科学,6-1,1987年 
(3)栗城稔 末次忠司 小林裕明:都市ライフライン施设等の水防灾レポート,総合治水研究室
资料,1992年 
(4)(财)エンジニアリング振兴协会 地下开発利用研究センター:「地下空间」利用ガイドブッ
ク,清文社,1994年 
(5)栗城稔 末次忠司 小林裕明:洪水による死亡リスクと危机回避,土木研究所资料,第3370
号,1995年 
(6)(7)栗城稔 末次忠司 小林裕明:都市ライフライン施设等の水防灾レポート,総合治水研
究室资料,1992年 
(8)(9)福冈県:河川激特事业计画书 二级河川 御笠川,1999年 
(10)福冈市交通局:福冈市高速鉄道地下鉄出入り口等防水対策基准,井上弥九郎 末次忠司:
6 29集中豪雨(福冈)による灾害调査速报,土木技术资料,41-9,1999年 
(11)毎日新闻夕刊(7月1日),1999年 
(12)栗城稔 末次忠司 小林裕明:都市ライフライン施设等の水防灾レポート,総合治水研究
室资料,1992年 
(13)中岛广正:大都市河川の情报基盘整备~'99福冈水害御笠川激特事业~,河川,№641,1999
年 
(14)末次忠司:都市型地下水害の実态と対策,雨水技术资料,№37,2000年 
1)末次忠司:近年の豪雨灾害から见た水害被害軽减対策,土木计画学ワンデーセミナーシリーズ
20「近代の豪雨灾害を踏まえた新たな洪水対策の展开-ソフト対策による被害軽减策の新しい
流れ-」,土木学会,2000. 
2)末次忠司:都市型地下水害の実态と対策,雨水技术资料,Vol.37,2000. 
3)末次忠司:地下水害の実态から见た実践的対応策,土木学会全国大会研究讨论会资料,2000. 
4)末次忠司:氾滥原管理のための氾滥解析手法の精度向上と応用に関する研究,九州大学学位请
求论文,1998. 
5)舘健一郎 末次忠司 小林裕明 都丸真人:洪水氾滥时の防灾树林帯の効果に関する検讨一余
笹川流域を対象として-,水工学论文集,第45巻,土木学会(投稿中). 
6)(财)北海道河川防灾研究センター:最近における洪水と土砂灾害,2000. 
7)富田贤一也:平成10年8月末豪雨による福岛県 栃木県豪雨灾害现地调査报告书,土木研究所
资料(执笔中). 
8)末次忠司:都市型地下水害の実态と対策,雨水技术资料,Vol.37,2000. 
9)栗城稔 木内豪 田中义人:都市雨水流出抑制施设等の浸水被害防止効果に関する调査,平成
5年度下水道事业调査费报告,1994. 
10)末次忠司 小林裕明:危机管理に备えた水防灾のための时间感覚,水利科学,№249,1999. 
11)末次忠司 小林裕明 武富一秀:近年における水防体制の変化,自然灾害科学,日本自然灾害
学会(投稿中). 
- 21 - 
12)建设省土木研究所河川研究室:越水堤防调査中间报告书-资料编-土木研究所资料,第1761号,
1982. 
13)山本晃一 末次忠司 桐生祝男:氾滥シミュレーション(2),土木研究所资料,第2175号,1985. 
14)建设省河川局治水课:河川堤防设计指针,2000. 
15)(财)国土开発技术研究センター:护岸の力学设计法,山海堂,1999. 
16)栗城稔 末次忠司 舘健一郎 小林裕明:水路ネットワークによる浸水排除効果,土木技术资
料,Vol.39,№7,1997. 
17)末次忠司:都市 人,そして川(9)-都市を守るための氾滥流制御-,雨水技术资料,Vol.37,
2000. 
18)末次忠司 舘健一郎 小林裕明:防灾树林帯による氾滥流制御に関する研究,水工学论文集,
第42巻,土木学会,1998. 
19)末次忠司:氾滥原管理のための氾滥解析手法の精度向上と応用に関する研究,九州大学学位请
求论文,1998. 
20)末次忠司 都丸真人 舘健一郎:二线堤の氾滥流制御机能と被害軽减効果,土木研究所资料,
第3695号,2000. 
21)末次忠司:都市 人,そして川(9)-都市を守るための氾滥流制御-,雨水技术资料,Vol.37,
2000. 
22)末次忠司 小林裕明:危机管理に备えた水防灾のための时间感覚,水利科学,№249,1999. 
23)栗城稔 末次忠司 海野仁 小林裕明 田中义人:関川水害时の避难行动分析,土木研究所资
料,第3536号,1998. 
24)末次忠司:过去の水害を教训とした21世纪の水防灾-水防灾研究と施策への反映-,京都大学
防灾研究所研究集会(特定)12S-2,21世纪の水防灾研究を考える-最近の水灾害から见えて
くること-,平成13年3月. 
【参考】 
1.気候モデルの研究开発状况 
「全球大気海洋结合モデル」(気象研究所,东京大学,国立环境研と宇野究所:実施中) 
「地域気候モデル」(気象研究所,国立环境研究所,电力中央研究所:実施中) 
2.地球规模水循环変动研究イニシアティブに関する研究予定课题 
気候変动の観测 监视,全球降水量予测モデル 高精度流域降水量予测モデルの开発
(気象研究所) 
地球规模水循环変动観测のための卫星计测技术とデータ利用の研究(东京大学) 
极端事象の観测 予测と社会の変动 対応(京都大学) 
アジアモンスーン地域における水循环変动の长期予测(地球フロンティア研究システ
ム,地球観测フロンティア研究システム) 
长期気候変化に伴う日本の积雪水资源量変动の予测とその影响(同上) 
洪水时の防灾活动にとって重要となる洪水予测では豪雨洪水特性を反映させて予测を行
- 22 - 
う.砂州,湾曲,树木等様々な要因により精致な予测は困难であるが少なくとも予测式
のパラメータを一定とするのではなく,豪雨时の特性に対応させた修正パラメータを采
用する.既往の调査によると,実绩水位を用いてオンライン キャリブレーションによ
りパラメータを自动修正して精度向上を図ったケースが2/3もあった.同调査结果によ
ると,洪水予报では気象庁 気象协会等の予测雨量を活用して流出量を计算し,洪水流
量を予测しているケースが约6割と多いが,独自の予测雨量を活用しているケースも特
に东北 関东地整で多い.水位予测に基づいて予测を行っている地点は约1割であるが,
北陆では急流河川が多いこともあって约1/4の地点で水位相関法を用いている. 
洪水时の防灾活动にとって重要となる洪水予测では豪雨洪水特性を反映させて予测を行
う.砂州,湾曲,树木等様々な要因により精致な予测は困难であるが少なくとも予测式
のパラメータを一定とするのではなく,豪雨时の特性に対応させた修正パラメータを采
用する.既往の调査によると,実绩水位を用いてオンライン キャリブレーションによ
りパラメータを自动修正して精度向上を図ったケースが2/3もあった. 
洪水予测の现状 
洪水予报の现状を大臣指定河川について既往の调査结果から见ると,気象庁 気象协
会等の予报雨量を基に算出した洪水流量を用いて予报しているケースが约6割と多い.
このほか,民间会社等から得た予报雨量を用いて洪水流量を算出ているケースもある.
算出に当たり,実绩水位を用いてオンライン キャリブレーションによりパラメータを
自动修正して精度向上を図ったケースが2/3もある.一方,急流河川等で流量ではなく
水位相関法により求めた水位を予测している地点も约1割ある.ただし,予侧期间は2
~3时间程度先となっており,今后より长期间の精度の高い予测が望まれる. 
- 23 -